ネットの記事が正しいとは限らない
ネットのコラムを読んでいたら、仕事ができる人になるためのアドバイスが書いてあった。しかしこれを真似をしたら「仕事ができない人」を増やすであろうと考える。こんなことを本気で言っている人に限って、他人はこの人をできない奴だと思っているのではないだろうか。
できる人になるためには、自分の大事な作業を優先してメールの確認作業等で一時的な作業中断が生じる可能性があるものは、後回しにするのがよいやり方だという内容だった。
自分の作業優先ができる人の道。これは果たして本当か?
できる人とは求められている作業の優先順位を常に気にかけ、刻々と変化する状況を見据えて処理する順序や手順を適宜調整、そのうえで優先度が高い課題から素早く解決していく人であると考えている。
そもそも自分ができない人間だと思っている(周りの人は思っていなくても)人は、物事の優先順位が明確に自分で考えられない人もいるであろう。しかしここが重要なポイントであり、自分自身で優先度を判断できる能力を高めていくことが仕事を円滑に進めていくために絶対条件であろう。
メールのチェック等を後回しにすることを最初から前提にしているということは、最初に手順を組み立てた事柄がすべて変更なく、仕事が終わるまで条件がまったく変更がない場合に限っては確かに有効である。工場のラインなどでの生産活動では当てはまることもありそうだ。
でも世間一般に言う仕事という意味合いではそんなことがあるのだろうか?
仕事を行っている状況は周りを含めて、知らず知らずに刻一刻と変化しているものである。しかしその途中で入るはずの情報にアンテナを張っていない場合、どちらに曲がっているかわからない暗がりのトンネルで、懐中電灯も付けずに目をつぶったまま走る行為と同じである。
周りで認められる「仕事ができる人」とは、みなさんメールの返信が的確で早い人物だ。そもそも困ったときに話を聞いてくれない人間が頼りにされることは少ないだろう。自分の仕事を早くやるために、他の処理をほったらかしにしたり犠牲にしてよいと教える気持ちがわからない。仕事とはそんな簡単なものでないと肝に銘じて続けることで、自分なりの工夫が生まれて上達するものである。
ネットに安易に書かれたアドバイスは、役に立たないと感じるとともにこういったことを信じる人が出てしまうであろうことが残念だ。コラムを書く人は、読んで欲しいがための『ためにならない情報』は書かないでほしいと切に願う。
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